トップメッセージ

株主の皆様へのメッセージ

「NEXT1800」の完遂に向け
コロナ禍で再認識した強みに磨きをかける

代表取締役社長 田中 裕之

ごあいさつ

株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当期の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染収束が明確に見通せない中で、海外経済の回復に伴う輸出増加や、製造業各社の生産自動化・高度化への設備投資などもあり、景気に持ち直しの動きが出てきました。

当社グループの主力事業分野である産業用エレクトロニクス・メカトロニクス業界では、経済回復が順調な中国を中心に、半導体、FA・産業機器、電子部品などの市場において設備投資が積極的に行われ、当社では半導体などの部材の供給不足による先行受注もあり、全体として高い水準で需要が推移しました。こうした事業環境を背景に、当期は営業利益、経常利益共に前年同期を大幅に上回ることができ、通期連結業績予想も上方修正しています。

また、株主様への還元と資本効率の向上、経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を目的に、自己株式の取得を実行しました。株主の皆様への中間配当につきましては、日頃のご支援に報いるべく、1株当たり17円の配当を実施いたしました。また期末配当も17円とし、年間配当を34円とさせていただく予定です。

厳しい環境下で証明された
当社の事業領域とSCMの強み

昨年4月に1回目の緊急事態宣言が発出されて以降、産業界全体が大変厳しい事業環境に置かれる中で、当社が関連するFA・産業機器分野ではものづくりの省人化と高度化が加速しました。特に生産自動化やロボット化など当社の強みが発揮される事業領域は、今回のような非常事態下での耐性と、危機をチャンスに変えていく適応性が証明されました。当社ではその事業領域のビジネスを積極的に展開することで、昨年度下期に引き続き今期も業績は好調に推移し、想定以上の結果を出すことができたと分析しています。

ローカル5G(スマートファクトリー化)を含めた多彩なソリューション提案力と、ロボットシステムなど各種自動化設備の立ち上げを遂行するエンジニアリング力は、その事業領域における当社の付加価値です。また、face to faceのサービスとリモート対応を組み合わせた「スマート営業所」の展開も、当社の事業領域の強みに磨きをかける施策です。顧客密着という当社の営業姿勢がお客様から高く評価されており、年内は金沢(石川県)に続いて北九州(福岡県)にも開設予定です。

もう一つ、今回の非常時対応から見えた当社の強みはグローバルSCMの基盤とノウハウです。コロナ禍でのロックダウンや長期化する米中貿易摩擦など国際政治情勢の変化により、例えば韓国・台湾が半導体を生産して中国で製品化するといった、世界における従来の分業生産体制のネットワーク、サプライチェーンが機能不全となり、今はまさに変革期にあります。その中で当社では、今年4月に再編したグローバルSCMソリューション部を中心に、製造拠点移管や海外現地での調達サポートを国内外の垣根なく包括的に実行する、独自のグローバル事業を展開しています。現在、部品や製品の早期調達が難しい中で当社への先行受注が増えているのも、従来から取り組んできた物流システムの高度化とSCMサービス力向上の結果です。

今後も、技術商社として長年実績を積んできたFA分野における生産自動化へのソリューション提供や、物流基盤を活かしたサプライチェーンの整流化を使命として、当社の強みに一層磨きをかけていきます。

カーボンニュートラルがもたらす
新たな世界・市場を切り拓く

現在、社会の様々な分野でコロナ禍からの立ち上がりが見られますが、過去の姿に戻るのではなく、従来の常識を超えた、以前とは異なる景色、世界が見えてきています。当社でも従来からのIT投資が奏功し、早期にリモートワークやオンライン会議、Web監査などIT基盤の利活用が進み、生産性と仕事の質の向上だけでなく、社員の働き方やライフスタイルも大きく変化しています。

さらに昨年10月、菅義偉前首相による「2050年カーボンニュートラル宣言(※1)」の公表後、先頃のCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)までの流れを見てもわかる通り、現在、世界は脱炭素社会の実現へと大きく舵を切っています。当社では長年、インバータやLED照明などの省エネ機器・設備の拡販に注力してきましたが、今やコスト(cost)ではないマスト(must)の必須課題として取り組まなければならないテーマです。これも世の中のニーズと景色を大きく変える要因であり、今後はシーズ(生産者視点)とニーズ(消費者視点)の変化に伴ってサプライチェーンのあり方も変容していくと考えています。

当社ではここ数年、新物流システム(倉庫管理システム/WMS)による物流コストの見える化を皮切りに、お取引先様と連携して配送効率化に取り組んできました。今後は物流コストが上昇し続ける環境下でのコスト競争力向上とともに、脱炭素化の観点から積載率向上による配送回数の低減などを積極的に推進していきます。また、今年4月にスタートした「SDGs(※2)推進委員会」による全社での活動とあわせて、カーボンニュートラルをテーマに最新の技術をご紹介する「サンワテクニカルセミナー‘21(オンライン開催)」や社内キャンペーン「サンワグループアワード2021」を実施しました。アワードの営業部門では、再生可能エネルギー(太陽光発電)や省エネ機器(センサ)など脱炭素ビジネスの発掘も進んでいます。さらに日々の業務において、年間で帳票100万枚以上、CO2換算で7トン分のペーパレス化を実行するなど、今後もイノベーション(新たな価値創造)と地道な取り組みの積み重ねで、脱炭素化に貢献していきたいと考えています。

※1 2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指すもの。
※2 国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に明記された2030年までの国際目標。

社会性と収益性の両面から
サステナビリティを追求する

当社では、「NEXT1800」の最終年度として「グレートリカバリー(大回復)に向けた新たな挑戦」をスローガンに、コロナ禍の克服とニューノーマル市場の獲得や、DX(デジタルトランスフォーメーション)(※3)を活用した戦略の構築とその実施体制の完成、既存ビジネスの深耕による確実な成果のアウトプットと新規ビジネスの開拓、事業ポートフォリオの見直しを重点施策として、計画完遂を目指しています。これらの施策は、コロナ禍を通して確信した当社の強みである「事業領域」と「グローバルSCM」に磨きをかけることで、おのずと結果がついてくると考えています。

一方、来年度から始動する「第11次中期経営計画」については、「ビジョン・中期経営計画策定委員会」での環境分析と計画立案を経て、現在策定の最終段階です。策定プロセスは従来のプロジェクト体制ではなく、今年6月に発足した「経営戦略室」に情報とノウハウが永続的に蓄積される組織体制で進めています。今後大きく変わる世界を想定して、可能性と夢のある長期戦略を付加することで、「サンワビジョン2025」へのロードマップを描きたいと思います。

当社では、引き続き企業価値の拡大と営業力の強化、健全な財務体質を維持しながら資本効率の向上を図り、社会性と収益性を兼ね備えたサステナビリティ(持続可能性)を追求していきます。今後も株主様への安定配当の継続を目指してまいりますので、一層のご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

※3 企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること。

2021年12月

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